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13月、赦された特別な時間

先日、高野雀さんから誕生日のプレゼントに「13月のゆうれい」2巻と、同人誌「シーサイド・シークェンス」をいただいた。去年はtofubeatsの「POSITIVE REMIXES」をいただいたし、なんだかもらってばっかりだ……。ありがとうございます。というわけで、ささやかながら感想を書く。

高野さんは、モラトリアムを掬いとるのがうまいと思う。モラトリアムは10代20代だけのものじゃない。みんななにかに赦されながら生きてる部分があって、高野さんの漫画を読むと、そのことをやんわりと意識する。決して押し付けがましくなく、やんわりと。

「13月のゆうれい」には、双子の姉弟が出てくる。それぞれ自分の性別に求められる役割から、自分なりにうまいこと距離を取って生きている。人間誰しも苦手だと思うものから自分なりにうまいこと距離を取ったり取れなかったりしながら生きてるもんだけど、いつか折り合いをつける日が来る。この作品もそうで、彼女や彼らなりに折り合いをつける。

タイトルにつけられた「ゆうれい」が後半すばらしいところに着地して、これいつから考えてた筋なんだろうと思ってしまった。すごく気持ちのよい作品です。

「シーサイド・シークェンス」も折り合いをつける物語だと思うのだけど、折り合いをつけるというのは、時としてすごい理不尽を受け入れることでもある。この作品は、そういった部分を丁寧に扱ったものだと思う。それこそ理不尽にも折り合いをつけて受け入れなければならないのだけど、その感情を丁寧に描いていて、ハッとさせられる。高野さんの漫画はここからいくつか読めるので、ぜひ読んでみてください。

誰でも時々いつでもない13月を生きていて、いつかまた1〜12月の間に戻ってこなければならない時が来る。それまで13月を自分なりにせいいっぱいたのしく過ごしていけるといいですね。高野さんの漫画の登場人物たちみたいに。

13月のゆうれい  1 (フィールコミックスswing)

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13月のゆうれい 2 (Feelコミックス FC SWING)

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POSITIVE REMIXES[初回生産限定盤]

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わたしたちに許された特別な時間の終わり (新潮文庫)

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