二度目の古書グリ

古書グリ、二度目の一箱古本市参加が無事に終わりました。全福岡県民が来てくれました。全福岡県民のみなさま、福岡県外から気にかけてくださったみなさま、ありがとうございました。

去年「売りたい本が結構溜まってるけど、ブックオフに売ると二束三文だしなァ……。どうせなら古本市で売るかァ」というくらいの軽い気持ちで参加した一箱古本市。いざやってみると、予想外に売れるわデコレート賞はもらえるわでいいことずくしだったので、即「来年もやりたい!」となり、1年かけて準備したのでした。

「古書グリをやる」がベースとしてあったこの1年、本との向き合い方もこれまでとは少し違ったように感じる。古本を買うときに打算が働かなかったと言えば嘘になるし、あと、本を読む「マイペース」も多少変わったような気がする。全てがとは言わないまでも、読書体験が「また古書グリをやる」ということに少なからず影響を受けたと思う。それがいいことなのか悪いことなのかは置いといて、変化は確実に感じた1年だった。

いざ二度目に挑むにあたって、値付けに悩んだところがある。インターネットの知人が本を出すようになって、それを安値で売っていいものか、しかも、いくらで売っても著者に1円も還元されないのはどうなのかということを考えた。ただそれは、知ったひとが著者だったから思い至っただけのことであって、ほんとは相手が村上春樹だろうと龍だろうと、たとえ村上じゃない姓のひとであろうと慮られなければならないはずのことだった。結論としては、そこはもう恣意的でいいだろう、ということにした。しょうがないよ。村上春樹は知り合いじゃねえもん。

インターネットの知人の本をいくらにするかも問題で、安くで売るのもなんか価値が低いっぽくなるし、かといって高く売るのも他人のふんどしで相撲を取ってる感じになるしで、自分のなかに軸がひとつ要ると思った。今回こだまさんの本を1冊だけ売ったのだけど、結論からいうと100円にした。そのかわり、書店では絶対に買わないであろうひとに、とりあえず100円なら買ってみるかと思ってもらうこと。それがせめてもの著者へのリスペクトになるのではないかと考えた。

古書グリで販売していた「夫のちんぽが入らない」は、「ちんぽ」とか絶対言ったことがないだろうなというマダムの手に渡った。「絶対に読んでほしい本ってどんなのかしら?」から「じゃあ買うわ」に至った。「死ぬまでに絶対一度は読んでほしい、タイトルで敬遠しないでほしい」と伝えたところ、購入していただけた。これを機に「こだま」という作家に興味を持ってもらえたらいいなあ。

二度目の古本屋は「全力でやった」感はあるのだけど、思うことも多々あった。反省とかそういうのではなくて(反省もなくはないけど)。本にどう接するかというと大げさな感じがするけど、純粋に本とか読書とかを楽しむことに戻りたいというか、なんかそういう余裕がほしい。来年はもっともっとおもしろくしたい。どうすればいいのか、今はまったくわからないけど。