フューチャー

来年度からどうやって生きていこうかと、このところずっと考えている。数年前に共同で設立した会社を、今度の春で辞めることにした(実は俺は会社役員なんだ)。それでも個人的にお仕事はまあまあ来るだろうという算段も立ってはいるのだけど、それらの仕事から離れたくて会社を辞める決意をしたので、来るであろう仕事も積極的に受ける気にはなれない。

最近読んでいる本が「好きなことで食べていくためには」的なものばかりで、なんとかなるんじゃないかという気持ちと、なんとかせんとなあという気持ちがないまぜになっている。労働を始めて気づけば15年近く経っており、いつの間にか「好きなこと」がなんなのかすらわからなくなっていた。

地道に「やりたいこと」と「やりたくないこと」を整理してみると、「ひとを楽しませることをしたい」というのは子どもの頃から変わっていなかった。ひとを楽しませることをして自分も楽しみたい。それを仕事にしていきたい。割とその道に乗っかってこられてたと思っていたけど、気がつけばずいぶん違うところを歩いていた。誰が楽しんでて、なんのためにやってるのかわからない仕事が増えた。クライアントが喜べばそれでいいのか? それではした金もらって、人生たのしいか? まさか30代も後半に差し掛かったところで、こんなことで悩むとは思ってもいなかった。

会社を辞めても、会社が潰れても、自分の食い扶持は自分で稼げるくらいのスキルは身についた。けど、今後も誰を楽しませているのかわからない仕事で食っていくのであれば、会社を辞めてもあまり意味がない。辞めるからには、誰かも、そして当然自分も楽しめるようなことをして食べていきたい。じゃあ自分が寝食忘れるくらい楽しめることってなにか? そういうことをこのところずっと考えている。

そのはじめに、というわけではないのだけど、これまで「いつかやる」リストに入れっぱなしにしてきたようなことをひとつずつ形にすることにした。最近、人生の残り時間について考えることが増えてきて、やりたいことをそろそろやらないと、この人生なんだったんだということにもなりかねないと思うようになった。それで先日ある方に「こういうことをやりたいと思ってるんですが、参加していただけませんか?」という連絡をしたところ、思った以上によいお返事をいただけて、それからというもの、急に毎日が楽しくなってしまった。まだ頭の中はとっちらかってる状態だけど、やりたいことに身を置くというのは、混沌とした状態も含めて楽しい。ここにたどりつくために今までの人生ずっと近道とか回り道とか休憩とかしてきたんだろうなと思う。