多数決を疑う

多数決ははたして本当に民主的な決め方なのか、という話。

冒頭の5ページくらいであっさりと多数決の致命的な欠点が指摘され、その代替案として「ボルダルール」というものが紹介される。これは、例えば3人の候補者がいたとして、1位に3点、2位に2点、3位に1点というように等差のポイントを付けて加点するというもの。ボルダルール以外にもいろいろな集約ルールが紹介されるが、最終的にやっぱボルダルール強いねという結論。

集約ルールの話に終始せず、前提として「自分のことは自分で決められるはずだ、というのは単なる希望の発露ではないか」「正しい判断は可能なのか」という、「選択」という行為への問いから出発しているのが面白かった。いまみんな好き勝手言ってる状況で、意見の集約ルールがそもそもあってないような感じなので、それに触れすぎるとげんなりするだけで終わりそう。結局、署名のようなわかりやすい集約が強く作用した事例もあるので、集約ルールの整備(整理)から始めるのが、事態を動かすにはよさそうな気がする。とすると、官邸にメッセージとか送るの、焼け石に水ということでもあるのか。個は弱い。