雑味

『つくづく』創刊号で編集者の宮田さんが語られていた、「雑味」について考えている。俺には雑味が足りないのではないか。生活を秩序で埋めていないか。元来秩序のなかで穏やかに生きていきたいと思ってきたものの、いざコロナ禍で強制的に穏やかな暮らしをさせられると、自分にはもっとパンク感が必要なのではないかと思うようになった。

緊急事態宣言が明けようとしていたころ、思い立ってパイパン(意味がわからない方は周りにひとがいないときにググってください)にしてみようと考え、ちょっとだけ剃ってやめた。緊急事態宣言が明けるということは、銭湯やサウナに行く機会が復活するということでもある。パイパンでサウナは、ちょっと意気込み過ぎと思われないだろうか。そう考えると躊躇してしまった。あれから2か月以上経ち、まだサウナに行っていない。あのとき躊躇せず剃っておけばよかった。俺は大事なときに守りに入りがちだ……

雑味ってそういうことではないですよね。

簡単にできる雑味の採り入れとして、普段の自分なら絶対買うことがないであろう本を買うところから始めてみた。Twitterで誰かがつぶやいていた本を買ってみる。勘で本を買ってみる。これが案外よかった。アンテナが拡がっていく感じがする。

メルカリを見るともなく見ていると、「世の中にこんなものが存在してたんだ!?」と思うことが多い。あれも雑味を採り入れているような感じがする。買わないけど。