死にたくないな

最近ぼんやりと、死ぬのがこわいと考えている。病気もこわいし、闘病生活なんてもっとこわい。病と闘うくらいならスパッと死にたいと思う気持ちと、死にたくない気持ちとが共存している。

仕事で、70代でNPOを立ち上げた方と話した。もともと野良猫に去勢・避妊手術をして、地域猫として面倒を見たり、里親を探したりする活動をしていた方で、最近NPO法人化した。自分と同世代の方々が、孤独を埋めるためにペットを飼いたいと思っても、ペットより先に自分が亡くなってしまう不安から飼えずにいる、そういうひとたちに寄り添える活動をしたい、また、そういった想いを引き継いで活動を続けてくれる若い世代に出会いたいという思いから、NPOを立ち上げたのだそうだ。

その方が「自分はもうそんなに長く生きるわけではないので」と言われるのを聞いて、このひとは死ぬのがこわくないのかな、と思った。これまでの人生で得た経験を有効に使いたいと語るその方の目は生き生きとしていて、迷いがない。未来について前向きに、そして具体的に考えている。猫の1年はおよそ人間の4年にあたるからという理由で、他のひとの4倍は進まないと猫に追いつけないと本気で話す。

いくつになってもカッコいいひとはカッコいいもんなんだな、と思う。と同時に、そういう域に達するのに70年もかかるのかよ、とも思う。できれば今、一応は心身ともにまだまだ健康な今のうちに、その域に達することができたらいいのに。

これという何かを見つけられたら、死ぬことを恐れている暇もなくなるような気がする。死にたくないなんて思ってるうちは、まだまだなんだろうな。そういう何かが見つかるまでは、死にたくないな。