100分de名著「資本論」

マルクスの「資本論」を4回に分けて解説してくれる便利な本。読むのに100分以上かかった。

資本主義のせいでありとあらゆるものが「商品」にされていってて、そのせいで「社会の富」は貧しくなっているという話。モノを買うの好きは好きなんだけど、このところずっと「いつまでこれ続けてるんだろう」という感じもあって、Amazonで何かをポチることで「生きてる!」って思ったことはないんだけど、それにしても、ちょっとこれ死ぬまで延々と続けるのもしんどいなあ、そのためにお金稼ぐのも馬鹿らしいなあと思っていたところだったので、ヒントがたくさん書かれててよかった。答えは書いてない。

40年生きてると、すり減らした感受性がどうにかなるってことはもうなくて、10代20代の感性にはもうついていけないみたいな気持ちの方が大きくなる。それを資本主義のせいだと言い切るつもりはないけど、20年弱働いてきて後に残ったものが、大金ではなく、感受性の激しい摩耗だけっていうのは虚しい感じがする。

資本主義が悪ってだけでもないと思うし、現にいま、絶版になってた本の中古品が2冊届いてサンキューAmazonとなってたところなんだけど、資本主義の結果が生んだいいところだけはありがたく利用しつつ、それに利用されない、搾取されないように自覚的に生きていかないとなと思った。そう思ったのだけれども、やる気を吸い取るさまざまがもう生活の至るところに存在していて、手に負えなくなってしまっている感じもする。携帯を捨てて、読んでない本を持って、山に籠るくらいしか手がない気もする。